AKARI HIGUCHI

2度目に通った声優養成所/新世界編【Story:4】

2度目に通った声優養成所/新世界編【Story:4】

2度目に通った声優養成所/新世界編
【Story:4】

とりあえずここまでの流れは…。

  1. 俳協ボイスアクターズスタジオの入学試験を受けて合格
  2. 約半年間の授業を経て、次の半年間の授業を受けるための切符を手に入れるべく、査定その①を受けて合格

でしたね。

さて、いよいよ査定その②です。

この査定②は、アクターズスタジオ内ではなく、俳協の事務所で行われました。
そう、声優・俳優・マネージャーさん達が集う仕事の拠点、本部です。
正直かなり緊張しました。
本物のプロが出入りしている場所で、しかも課題は当日渡し。
場所も初めてなら、原稿内容を見るのも初めて。
審査員さんも知らない方ばかりです。
なにもかもが初めてだらけの中で、しかも、各クラスから選抜されてきた強敵たちと闘うわけです。
そんな状況で、どれだけ自分の力を発揮できるか。
入学試験の時と比べると、あきらかにハードルが上がっているのを実感しました。
(まず試験場(事務所)に辿り着けるかどうかが心配でした…)

そして査定②の内容はというと。

短いCMナレーションでした。
あと他にも1つか2つありましたが、どれを読むか自分で選べたんだっけかな??確か。ん?
全部読んだっけかな?? んぁ〜〜〜…(´゚д゚`)

お も い だ せ な い 。 とにかく、短いナレーションを読んだのは覚えています。
なんだかあっさり終わってしまって、ほとんど記憶に残っていないんですね。
その時の記憶をなんとか引っ張りだそうとしても、浮かんでくるのは、ごんぎつねの原稿に落書きしてた絵とか、船を漕いでる先生の姿ばかりで(笑)
人間って、どうでもいいことばかりを覚えているものですよね。

さて。
気になるのは、査定②を受けた人数だと思いますが…

ゴメンナサイ。実はこれも、はっきりとは分かりません(´・ω・`)
ですが確か、2回か3回に分けて行われていたような気が。
そして、私が受けた回は約15、6人くらいいたように記憶しています。
1回がこの人数だとして、もし2回、あるいは3回に分けていたとするならば、15×2=30/15×3=45で
およそ30人〜45人くらいが残っていたということになります。

もうね。さっきから頼りない記憶ばっかりでほんとゴメンナサイねorz

そして、この査定が終わった数日後。
めでたく合格連絡を頂き、晴れて後半の半年間の授業(無料!)に参加できることになりました。
(この後半の授業は俳協の事務所で行われます)

合格者は、私を含め全部で12人でした。

そ し て な ん と こ の 中 に 。 実は、私と同じクラスだったN君がいたのです!!
私とは別の回に来ていたんですね!

結局クラスの中で生き残ったのは、私とN君の2人だけでした。

そういえば、はっきり覚えていることがあります。
クラスで仲の良かった友達が査定①に落ちた時、受かった私にわざわざ電話をくれたんです。

「そっかー、アンタはやっぱり受かったんだね!まぁアンタがいれば、アタシは要らないよ!ハハハ!」

と、なんともカラッとした声でスパっとおめでとうを言ってくれまして。
元々サバサバした人だったわけですが、声がいつもよりも更に明るく聞こえ、それが逆に
とっても切なかったんですよね。
その声をね、今でも時々思い出すんです。
ふとした時に。

そんな時に必ず思い出すのが、北斗の挙のED「「SILENT SURVIVOR」。
あの強敵(と書いて「とも」と読む)たちの姿が、前に向かって進んでいくケンの後ろにスーーッと現れて
消えていく画、あったでしょう?(知ってますか?( ゚д゚))
勝田声優学院に入学した頃から考えてみると、実に色んな強敵(とも)と出会い、闘い、そして
通り過ぎていったなぁ…と。
ケンシロウと自分を重ねて、物思いに耽るんですよ(笑)

だ が し か し 。 まだまだプロへの道は遠い。
まだスタートラインにすら立っていない状態です。
後半の授業への切符を手に入れたからといって、現場に立てるわけではない。
次の査定は半年後。
これが、一番最後の査定となります。
その査定の結果によって、俳協に所属できるかどうかが決まるのです。

最終的に闘うのは12人。
これは、当時俳協ボイスアクターズ史上、最大の人数だったそうです。
(それまでは、多くて7人・少なくて4人・あるいは0人の時もあったそう。)
そんな過去最大の競争率の中で、私とN君は果たして勝ち抜くことができるのか!?
そして、授業の初日に樋口を襲った笑撃(←)の出来事とは!?

次回、「2度目に通った養成所/新世界編」第5回
〜新たなる強敵(とも)たち(四コマ漫画付き) お楽しみに!

この記事を書いたのは...

AKARI HIGUCHI
幼少期より吹き替え映画やアニメに慣れ親しみ、自然と声の世界を目指すようになる。2003年に俳協に正式所属。念願の吹き替え仕事を中心に、アニメ・ボイスオーバー・ナレーション等も幅広く手がけるように。
クールな役柄が多いが、持ち前の伸縮自在の声帯(秘技・声帯七変化)を使い、子供から大人まで老若男女、幅広いキャラクターを演じ分ける。また、ドキュメント系からバラエティ系まで、ナレーションも幅広くこなす。2011年3月よりフリーランスとして活動を開始。